中国の宇宙開発が「新たなステージ」へ!新型ロケットリフトオフ!

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日本時間6月25日午後9時00分、中国海南省文昌市の文昌宇宙センターから、長征七号ロケットが打ち上げられました。
長征七号は中国が新開発した次世代ロケットで、今回の打ち上げはその初フライトとなります。

 

ペイロードの一つは次世代宇宙船の実験機 

ロケットに搭載されたのは、多目的宇宙機の縮小版大気圏再突入モジュールと呼ばれるもので、 中国が現在開発中の次期有人宇宙船の実験機とみられています。 この実験機を含む複数のペイロードは午後9時20分、無事所定の軌道に投入され、 文昌宇宙センターはその打上げを成功と発表しました。

次期主力ロケット、長征七号

長征七号は、現行の長征二号系、三号系に代わる中型ロケットで、神舟宇宙船の打上げに使用されている 長征二号Fを引き継ぐ機体として開発計画が進められたとされています。 全高53メートル、直径3.35メートル、重量約600トン、低軌道に13.5トンの搭載物を打ち上げる能力を有しています。 宇宙輸送機「天舟」の打上げなど、今後の有人宇宙計画にとって必要な輸送手段でもあり、 今回の打上げ成功は中国の有人宇宙計画が次の段階に進んだことを意味しています。

長征七号には新技術が満載  

ロケットエンジンは推進剤に液体酸素とケロシンを使用する、酸素リッチ二段燃焼サイクルエンジンと呼ばれるもので、 中国が開発に成功する前はロシアでしか実用化されていない技術でした。 中国は昨年9月に打ち上げられた小型ロケット長征六号の第一段で、推力120トン級のYF-100、第二段で18トン級のYF-115を初採用し、打上げに成功しています。 長征七号の第一段はこのYF-100エンジン2機で構成され、また同エンジンを各1機搭載したブースター4本がロケット本体を取り巻いています。 第二段はYF-115エンジンの4機構成。最上段には同じく新規開発され、すでに2度の軌道投入実績がある遠征一号の改良版、遠征一号Aエンジンが使用されました。

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風光明媚な「中国のケネディ宇宙センター」  

中国では今回のロケットだけでなく、発射場である「文昌宇宙センター」も新たに建設されました。海南島東北の沿岸部に位置する海南省の文昌宇宙センターは、米フロリダのケネディ宇宙センターや、 日本の種子島宇宙センターのように、海を臨んでロケットが空に上がっていく様を楽しめるロケーションとなっています。 海南省にとっても、「ロケット打上げ」はリゾート観光に並ぶ強力な観光資源として期待されています。 今回は初めての打上げという事もあり、文昌市内の宿泊施設におよそ1か月前から予約が殺到、打上げ予定日と目されていた25日前後は満室となったホテルが続出したそうです。

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地理的優位性を最大限に活用

沿岸部にロケット発射場を建設したのは、観光面のメリットを考えてのことだけではありません。 これまでの中国のロケット発射場は酒泉衛星センター、西昌衛星センター、太原衛星センターとすべて内陸部に位置しています。 また、酒泉は低軌道、西昌は静止軌道、太原は極軌道と打ち上げる衛星の軌道に特化した運用がされています。 これに対し、低緯度かつ沿海部に建設された文昌宇宙センターはいずれの軌道にも打上げ対応可能な発射場として、 その高いポテンシャルに期待が寄せられています。 今後、中国の衛星打上げの約8割が、長征七号ロケットによって文昌宇宙センターから打ち上げられることになるだろうとも言われています。

次世代ロケットのための新たなステージ

中国は独自の測位衛星網、気象衛星網、観測衛星網の構築を積極的に進めているほか、 嫦娥五号が長征五号ロケットで文昌宇宙センターから打ち上げられる予定があるなど、宇宙探査にも注力しています。 今回の新しい発射場建設と新型ロケットデビューは、中国の宇宙開発が新たなステージに立ったことの象徴と言えるかもしれません。

Image Credit: 中国航天科技集団公司 長征七号首飛成功 空間実験室任務大幕拉開 http://zhuanti.spacechina.com

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初木 乃文
もともと宇宙・天文に興味を持っていたが、神舟五号で楊利偉宇宙飛行士が中国初の有人宇宙飛行に成功したニュースに触れたことがきっかけで、中国の宇宙開発や宇宙探査に関する情報を追うようになる。近年になって実用分野、科学分野で大規模な計画を次々と展開する、「宇宙強国」を目指す中国の動向から目が離せない。

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