PSLV-CAロケット、人工衛星7機を打ち上げ

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Launch of PSLV-20C
Image credit: ISRO
 インド宇宙機関(ISRO)は25日、地球観測衛星サラルと他6機の衛星を搭載したPSLV-CAロケットの打ち上げに成功した。
 7機の衛星を搭載したPSLV-CAは、インド時間25日18時01分(日本時間25日21時31分)、インドのシュリーハリコータにあるサティシュ・ダワン宇宙センターの第1発射台から離昇、17分55秒後にサラルを軌道に投入、それに続いて6機の衛星も軌道に投入された。
 サラル(SARAL)はISROとフランス宇宙機関(CNES)によって共同開発された地球観測衛星で、氷や雨、沿岸水域、森林および波高を観測し、天気予報や気候の仕組みの研究などに役立てられる。またCNESやアメリカ航空宇宙局(NASA)などが共同開発し打ち上げられた地球観測衛星ジェイソン2の補佐的な役割も果たす。打ち上げ時質量は409kgの小型衛星で、設計寿命は約3年を予定。高度800kmの太陽同期軌道で運用される。
 今回の打ち上げでは他にサファイア、ネオスサット、NLS 8.1ユニブライト、NLS 8.2ブライト、NLS 8.3AAUサット3、ストランド1の、6機の小型衛星が一緒に打ち上げられた。
 サファイア(SAPPHIRE)はカナダ宇宙監視システムを構成する衛星で、光学センサーを搭載しており、6,000kmと40,000kmの高度にあるスペースデブリや宇宙塵などを監視する。またアメリカが保有する宇宙監視システムとも連携する。カナダのマクドナルド・デットワイラー&アソシエイツ社によって開発された。
 ネオスサット(NEOSSat)は小惑星や静止軌道衛星の検知・追跡を行うことを目的とした衛星で、カナダのマイクロサット・システムズ・カナダ社によって開発された。
 NLS 8.1ユニブライト(UniBRITE)、NLS 8.2ブライト(BRITE)はオーストリアのグラーツ技術大学通信ネットワーク&衛星通信研究所とウィーン大学天文学研究所、そしてカナダのトロント大学宇宙飛行研究によって共同開発された衛星で、変光星の検出を目指している。
 NLS 8.3AAUサット3(AAUSAT3)はデンマークのオールボー大学によって製造されたキューブサットで、地球の撮影を目指すほか、将来の衛星開発に向けた基礎作りとしての役目も担っていた。
 ストランド1(STRaND-1)は英国のサリー・サテライト・テクノロジー社(SSTL)によって開発された衛星だが、SSTLの正式な業務として造られたわけではなく、技術者が自由時間を使い造り上げた。部品には民生品が使われ、特にその心臓部にはアンドロイドOSを搭載したHTC社製スマートフォンのNexus Oneが使われている。また水・アルコールを用いた電熱加速型スラスターとパルス・プラズマ・スラスターなども搭載し、これらの宇宙での実証実験も行う。
 PSLVロケットはインドが運用する2種類のロケットのうち、その名前であるPolar Satellite Launch Vehicleが示すように、主にに極軌道への打ち上げに特化した機体だ。今回は23回目の打ち上げとなり、実運用に入ってからは20機目の打ち上げとなった。試験機と実運用機のそれぞれ1号機以外は失敗はなく、安定した打ち上げを続けている。
■Honourable President of India Witnesses the Successful Launch of Seven Satellites onboard PSLV-C20
http://www.isro.org/pressrelease/scripts/pressreleasein.aspx?Feb25_2013


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鳥嶋 真也
ライター。宇宙作家クラブ会員。 宇宙開発、宇宙科学の分野で執筆活動を行っている。

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