アンタレスロケットの打ち上げ試験、完璧に成功

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Launch of Antares
Image credit: NASA
 オービタル・サイエンシズ社は4月21日、新型のアンタレスロケットの打ち上げ試験に成功した。
 アンタレスはアメリカ東部夏時間4月21日17時ちょうど(日本時間4月22日6時ちょうど)、アメリカ・ヴァージニア州にあるワロップス島の中部大西洋地域宇宙港(MARS)の第0A発射台から離昇、約10分後に搭載していたシグナス補給機を模した重りを軌道に投入した。
「我々の会社にとって、もっとも巨大で複雑なロケットの打ち上げを完璧に成功させたことにより、今日はアンタレス計画にとって偉大な一歩となりました」。オービタル社の会長、CEOを務めるデイヴィッド・トンプスン氏はこのように打ち上げ成功を称えた。
 ”A-One”と呼ばれる今回の試験飛行は、新しく開発されたアンタレスの性能を確認するためのものであった。アンタレスはNASAが進める商業軌道輸送サービス(COTS)計画の下で開発され、国際宇宙ステーション(ISS)へ向けて無人補給機シグナスを送り届けることを目的としている。現時点でISSへ向けた飛行は6月頃に予定されており、今回の試験飛行が成功したことで、おそらく大きく遅れることはないだろう。
 また今回の打ち上げでは、超小型衛星が4機同乗しており、こちらも分離にも成功した。そのうち3機はNASAエイムズ研究センターで開発されたスマートフォンを使った衛星で、それぞれアレクサンダー、グラハム、ベルという名前が付けられ、これを並べると電話の発明者であるアレクサンダー・グラハム・ベルの名前になる。もう1機はダブ1と呼ばれる衛星で、コスモジア社によって開発された。
 アンタレスは全長40.5m、直径3.9mの中型ロケットで、地球低軌道に約5tの打ち上げ能力を持つ。第1段には液体酸素とケロシンを推進剤とするAJ26ロケットエンジンを2基装備している。AJ26は旧ソ連で開発された月ロケットN-1に使用されたNK-15、NK-33ロケットエンジンを改良したものだ。またそのタンクは、ウクライナのゼニートロケットのものを短縮したものが用いられている。
 第2段には固体ロケットのキャスター30を装備している。キャスター30はアシーナIIやトーラスXLなどのロケットにも使用されたキャスター120から派生したもので、さらにその源流には大陸間弾道ミサイルのLGM-118ピースキーパーがある。
 またアンタレスは商業衛星や軍事衛星の打ち上げに使用することも考えられており、第3段に小型の液体ロケット(BTS)や、スター48BVと呼ばれる固体ロケットを搭載することが可能となっている。現時点で具体的な打ち上げ予定が決まっているわけではないが、今回の試験飛行が成功したことで、オービタル社は本格的に売り込みをかけていくことになろう。
写真=NASA
■Orbital Successfully Launches First Antares Rocket
http://www.orbital.com/NewsInfo/release.asp?prid=852

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鳥嶋 真也
ライター。宇宙作家クラブ会員。 宇宙開発、宇宙科学の分野で執筆活動を行っている。

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