謎に包まれた中国の快舟ロケット、2号機が打ち上げに成功

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kuaizhou launches kuaizhou-2 satellite
Image credit: CASIC
 中国航天科技集団公司は11月21日、地球観測衛星「快舟二号」を搭載した快舟ロケットの打ち上げに成功した。快舟ロケットは昨年9月25日に初めて打ち上げられ、今回が2機目となるが、その姿や性能は謎に包まれている。
 中国航天科技集団公司や中国政府などの発表によれば、ロケットは中国標準時2014年11月21日14時37分(日本時間2014年11月21日15時37分)、酒泉衛星発射センターから離昇したという。その後ロケットは衛星を所定の起動に投入し、打ち上げは成功したと発表された。
 快舟ロケットは2013年9月25日に初めて打ち上げられ、今回で2機目の打ち上げとなる。快舟ロケットについて現時点で分かっていることは、全段に固体推進剤を使用する小型のロケットであるということぐらいで、画像も簡単なCGで造られた想像図と、中国のロケット愛好家が撮影した、不鮮明な写真ぐらいしか存在しない。
 一説には、中国の大陸間弾道ミサイルである東風21、もしくは東風31を転用した機体であるといわれている。また、尾部には格子状のフィンがあり、ロシアのトーポリなどとの関連性も指摘されているが、真偽は不明だ。また打ち上げは専用の発射台ではなく、トレーラーのような移動式の発射台から可能であることが明らかになっている。
 また、今月11日から16日にかけて開催された第10回中国国際航空航天博覧会(珠海航空ショー)において、快舟ロケットの民間型と思われる「飛天」と呼ばれるロケットの模型が展示されたことが報じられている。
 搭載されていた衛星「快舟二号」も、災害観測を目的としているということ以外は、姿かたちや性能などは明らかにされていない。開発はハルビン工業大学が担当したことが伝えられている。
 前号機に当たる快舟一号は、快舟ロケットの1号機に搭載されて打ち上げられているが、このときも今回同様に、災害観測を目的としているということ以外は情報は明らかにされなかった。快舟一号と快舟二号は同型機であるかもしれないし、まったく異なる衛星かもしれない。
 米国の宇宙監視ネットワークによる観測によれば、快舟二号は高度293 x 298km、傾斜角96.56度の軌道に乗っている。これは地球観測衛星としては妥当な軌道であり、また快舟一号とも良く似た軌道でもある。
 快舟一号は打ち上げ後、軌道上から地表を撮影した画像が報道機関などを通じて公表されており、順調にミッションを行っていることを示している。快舟二号も今後同様に、画像は公表されるものと思われる。
 また、現時点では快舟二号のみレーダーに捕捉されており、ロケットの最終段が捕捉されていないが、昨年快舟一号が打ち上げられた際も同様に、快舟一号のみしか捕捉されていない。これについては、快舟一号はロケットの最上段と統合された衛星であるとされる。また電子機器も一体化されているようで、快舟一号のコンピューターが、自身とロケットの両方の制御を司っているようだ。
 このロケット最終段と衛星機能との統合については、災害時などに、素早く衛星を目的の軌道に打ち上げられる、いわゆる「即応宇宙システム」の実現を目的としたものと思われる。当然ながら、災害だけではなく、軍事への利用も考えられているはずである。
■中国航天科工集团公司 – 新闻中心 – 集团要闻
http://www.casic.com.cn/n103/n133/c2020757/content.html


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鳥嶋 真也
ライター。宇宙作家クラブ会員。 宇宙開発、宇宙科学の分野で執筆活動を行っている。

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