インド、GLSV Mk-III向け極低温エンジンの燃焼試験を実施―初の長時間運転

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CE-20
Image credit: ISRO
 インド宇宙研究機関(ISRO)は5月1日、開発中の新型ロケット「GLSV Mk-III」の第3段に使われるロケット・エンジン「CE-20」の、長時間の燃焼試験に成功したと発表した。
 試験は4月28日に、ISROの試験施設(IPRC, ISRO Propulsion Complex)で行われ、燃焼時間は635秒を記録した。これは実際の飛行における燃焼時間とほぼ同じ時間である。試験は成功し、予定していたデータはすべて得られたという。
 CE-20はこれまでに、極低温の推進剤をエンジンの配管などに実際に流す試験を2回、短時間のみの燃焼試験を4回実施しているが、今回のように、実際の飛行時間と同じほどの長時間にわたる燃焼試験は初めてだった。
 GSLV Mk-IIIはISROが開発している新型のロケットで、CE-20はその第3段に装備されるロケットエンジンである。CE-20は液体酸素と液体水素を推進剤に使う。液体水素はマイナス250度C以下と非常に温度が低いため取り扱いが難しく、また密度も低いため、燃料タンクが大きく、重くなってしまうという欠点もある。しかし、この組み合わせは非常に高い性能が出せることから、大型ロケットを持つほぼすべての国が開発し、実用化している。
 インドが現在運用しているGSLVでは、当初はロシア製の液体酸素/液体水素エンジンが使われていたが、その後国産の液体酸素/液体水素エンジン「CE-7.5」の開発が始まり、2010年に最初の打ち上げが行われた。しかし、まさにその国産エンジンが問題を起こし失敗、改良を重ね、2014年1月5日の2回目の打ち上げで初めて成功した。開発中のCE-20は、このCE-7.5の開発で得られた技術が投入されている。
 GSLV Mk-IIIは地球低軌道に8000kg、静止トランスファー軌道に4000kgの打ち上げ能力を持つ、インドにとって最も強力なロケットで、商業衛星や惑星探査機、そして有人宇宙船の打ち上げに使うことが計画されている。1号機は2014年12月18日に打ち上げられたが、第3段が完成していないため、ダミー(模造品)が搭載されていた。ただし質量や重心位置などは実機と合わせるため、タンク内に液体窒素が充填されていた。
 今のところ、実機の第3段を搭載した「完成形」のGSLV Mk-IIIの打ち上げは、2016年から2017年ごろに予定されている。
■Successful testing of High Thrust Cryogenic Engine – ISRO
http://isro.gov.in/successful-testing-of-high-thrust-cryogenic-engine

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鳥嶋 真也
ライター。宇宙作家クラブ会員。 宇宙開発、宇宙科学の分野で執筆活動を行っている。

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